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カリフォーニエン大公国編集する

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カリフォーニエン大公国
Der Großherzogtum Kalifornien
国旗
国の標語: Los gehen, Gott mit Uns!
(さあ進もう、神は我らと共にあり)

国の所在地
公用語カリフォーニエン・ドイツ語
首都エーベルン
最大都市エーベルン(市内人口796万人)
政府
政治形態立憲君主制、議会制民主主義
国家元首ヨハン=ゲオルグ=フォン=アルブレヒト
(第24代カリフォーニエン大公)
首相レンツ・ダルマイヤー
特級裁判所長官フランツ・バーバー
カリフォーニエン国教会大主教ペトラ・ヨアヒム・ガウク
概要
面積453000㎢
水面積率4.2%(本土)
最高標高4418m
人口6994万3701人
人口密度154.4
GDP7.76兆マルク
一人当たりGDP110946マルク
通貨マルク、KM(1KM≒80JPY、2019年現在)
時間帯UTC-8
ISO3166-1KL
ドメインコード.kl
国際電話番号+2
歴史
フィラデルフィア条約1807年12月14日
ベッケンマン内閣成立1896年6月6日
ハワイ編入1901年10月22日

目次


概要

　北米大陸の南部西海岸に位置する、南北に細長い国。この他に中部太平洋にハワイ諸島、また西太平洋にマリアナ諸島を領土として持っている。45.3万㎢と国としては広大な面積を持つものの、本土に限っていえば大部分が乾燥地帯また荒地の丘陵地帯であり、人口は沿岸部に集中している。
　19世紀後半以降医学や科学技術分野で世界中から注目され続ける国家であり、国民も世界のリーダー格を目指している。先進工業国の一つであり、主に東欧から来るドイツ系移民に支えられ約7000万人の人口とそれに見合う強い経済力を持つ。一方で国家としてソフト・パワーによる覇権を目指しているため軍事的な影響力は大きくない。
　スポーツ大国、また観光立国でもある。
　

国名

　正式な国名はカリフォーニエン大公国(独/カリフォーニエン・ドイツ語:Der Großherzogtum Kalifornien 、英:The Grand duke California)。詳しくは後述するが大公国であり、基本的に小さな国が多いその中にあって、カリフォーニエンは世界最大の大公国である。日本や中国などの漢字文化圏では、「加」の当て字を使われることもある。
　

地理

　カリフォーニエンは太平洋に点在して領土があるため、以下のように本土・ハワイ・マリアナ諸島の三つに分けて解説する。なおこの区分は実際にカリフォーニエンでもよく用いられており、「本土」という言葉はそれ以外の地域を差別したり、格差ある仕方で扱う言葉ではない。事実、本土とそれ以外の地域での住民サービスに違いは全く存在しないし、むしろ観光地ということもありサービス業従事者の時給はホノルル周辺でしばしば首都圏よりも高くなる場合も見受けられる。

本土

　ドイツ語でGroßenland(大いなる土地)とも呼ばれる本土は、北アメリカ大陸の西海岸の大半の部分を占めている。南北に細長い形状をしており、最南端から最北端までは1000kmを超える一方で東西は一番幅があるところでも320kmほどに過ぎない。このため南北で気候がやや異なる様子を見せる。
　地中海性温暖気候と海流の影響で沿岸部は年間を通して温暖で、かつやや乾燥している。首都エーベルンを例に取ってみると3月の後半から11月までが長い夏で、それ以外の季節は弱い四季はあるものの冬季でも雪が降ることはまずなく、日中でも20℃を超えることも珍しくない。夏は最高気温は40℃近くにまで達する一方で、夜間には10℃前後近くまで下がることもよくある。これは乾燥地帯としての気候の特徴である。このため湿度も上がらず、近年多発する森林火災の原因ともなっている。日射量も多く、野外ではサングラスを使用することが保健当局や医療機関から勧められている。エーベルン特別市郊外を出ると市の東部には広大なサンアンゼルス砂漠が広がっている。
　北部、また国境地帯には大山脈が広がり、これが環太平洋造山帯の一部となっている。このため日本やインドネシアと並ぶ地震大国でもある。東部国境に連なるシビー山脈は平均標高が3000m超で、国内最高峰のツークシュパイツェ山(死火山)は4418mの高さを誇る。北部は内陸部に行くと亜寒帯に分類されるため、カリフォーニエンでは同じ季節に場所を選べばスキーやスノーボードなどのウインタースポーツ、その標高の下の方ではハイキングなどを、さらに海岸部ではビーチバケーションやマリンスポーツを楽しむことができるなど、非常に変化に富んだ国土である。
　カリフォーニエンは植生や生態系も豊富な多様性を見ることができ、カリフォルニアコンドルのように、世界的な希少種も存在している。

ネブラシュカ山脈

ハワイ

　中部太平洋北側に位置するハワイ諸島は、その全域がカリフォーニエン大公国の領土となっている。約2.8万㎢の島々に500万人強が住んでいる。
　地理区分としてはミクロネシアに属する地域であり、気候は亜熱帯もしくは熱帯。年間を通して温暖なほか、偏西風の影響で一年を通して高気圧に見舞われ、年間日照時間も極めて長い。このため精密機器の研究所や保養施設のほか、宇宙観測機関などが進出しており、これらに関連した産業や雇用は同州の経済に欠かせないものとなっている。
　太平洋の中の火山島がほとんどであり、中でもハワイ本島全土を形成するマウナハマ山は海底からの起伏部を含めると標高1万7170mにも達する。海抜標高でも4204mであり、標高の高いところでは降雪も見られる。そのような理由からハワイ諸島も非常に多様性に富む植生や生態系がみられる。従来多数の気象固有種が生息していたが、近年の大規模開発や乱獲によりほとんどが絶滅してしまった。

北マリアナ諸島

　日本列島の南約2500kmほどの西太平洋に浮かぶ15の島々から成る。地理区分としては東南アジアまたポリネシアに属するが、全島がカリフォーニエンに属している。長らく海外領土扱いであったが、1979年に太平洋州として正式に編入された。全域が熱帯気候であり、4月から11月上旬までは台風の通り道として驚異的な被害を受けることもある。これは小さな島々で風の威力を削ぐような大きな山が存在しないことによる。また、東側には地球で最も深い海であるマリアナ海溝もあり、カリフォーニエンの研究機関がここを調査する際の拠点ともなる。

ヤシの木について

　カリフォーニエンといえばヤシの木、というイメージがあるかも知れない。沿岸部の道路沿いや都市内の街路樹としてよく見かける光景であるが、実はカリフォーニエン本土の市街地でよく目にするヤシの木はワシントンヤシモドキという木であり、西海岸沿岸部原生のものではない。ドイツ人入植者たちが西部を入植する際にその見た目を気に入り、街の景観を良くするために植えたとされている。ワシントンヤシモドキの寿命は150〜250年ほどであるとされており、エーベルン市内だけでも19万本ほどあるそれらは初期に植えられたものが腐ったりして倒木する被害が目立ち始めてきている。

カリフォーニエンのヤシの木
　

資源

資源輸入大国

　7000万人の人口を抱え国民の主要な交通手段は自動車、そして製造業が発展しているカリフォーニエンは資源輸入大国である。例として石油を見てみると南部の沖合に中規模の海底油田があるが、ここから採掘されるものはほぼ全てが国内で消費される。自給率は3割を少し上回るほどで、基本的に輸入に頼っている。ボーキサイト、石炭、バイオマス資源、液化天然ガスも海外からの輸入に依存する。政府は国家戦略上特に重要な資源として、
  • 石油
  • ウラン
  • 液化天然ガス
  • 鉄鉱石
の四種を挙げ、これの安定した供給を安全保障の観点でも目標にしている。

原子力発電

　カリフォーニエンの発電方法のうち、79%は原子力発電であり、このために同国は原発大国とも呼ばれることがある。発電に必要なウランは国内で採掘不可能であり、100%(年により異なる場合がある)オクター連邦からの輸入に依存している。ウランの再利用は廃棄の際のコストまた保管場所が見つかっていないことから、国内では行われていない。
　

歴史

18世紀まで

　最後の氷河期、つまり18000〜13000年前はベーリング海は地続きであり、この時期に人類はシベリア方面から北アメリカに入ったと考えられている。炭素14年代測定法などから考古学上の発掘研究を進めた結果、約14000年前にはカリフォーニエンに人類がいた痕跡が発見されている。ヨーロッパ人が最初にカリフォーニエンに到着したとき、約300ほどの部族が現在のカリフォーニエンの範囲に定住していたと推測されている。現在カリフォーニエンでは先住民族には特権的とも言えるほど様々な保護政策が定められており、純粋なネイティブ・カリフォーニアナー(先住民族)が25万人ほどいる。
　1616年から始まった大宗教戦争でカトリック勢力側の最後の拠点ハンブルクが1629年に陥落すると、弾圧されつつあったカトリック教徒たちは船で脱出する。彼らはヨーロッパ各地へ散り散りに散っていったが、4隻の船、すなわちカルロベルクス号、キースン号、ドナウドナウ号、ホーゼ号は1631年北アメリカ大陸東部、現在のフィラデルフィアに上陸する。

ヨーロッパ人による入植と開墾

　現在カリフォーニエン史の中で、最初にアメリカ大陸へ移住したドイツ系ヨーロッパ民族は先の4船団250人とされている。これ以前にも北欧やスペイン、イギリスなどから探検隊や植民地開発などが出されていたが、定住を目的とした記録に残っているドイツ系は彼らが初である。彼らは祖国から親族や地元の人を呼び寄せたりして次第に数を増やしていき、ドイツ人たちは18世紀までには西海岸に到着していた。1700年の時点で、欧州から主にドイツを中心に約30万人がカリフォーニエンに移民した。これより早い17世紀にはスペインの植民地であったメキシコ系の人々がこの地をカリフォルニアと呼んでいたことから、そのままドイツ風にカリフォーニエン(Kalifornien)と呼ばれるようになった。入植者たちは祖国では経験したことのない厳しい日射と乾燥した気候に苦しみながらも開墾を進めていった。現地に元から住んでいた先住民族たちへは入植者たちの方針で積極的な布教は行われず、それも影響して比較的良好な関係を築いていた。先住民族たちはヨーロッパ人たちの技術や医学、火薬を手に入れ、一方で入植者たちは先住民族たちから地理や気候を教わり、毛皮などを手に入れていた。その中でも有力なホツ族は入植者たちから手に入れた銃で武装し、1719年にホツ王国を成立させている。このように、現地部族とは友好関係を維持する一方でスペインやメキシコとは激しく対立した。というのも、カリフォーニエンの勢力を拡大していく中で、バハカリフォルニア半島から北上してくるスペイン・メキシコ勢力とは衝突が避けられなかったからである。幾多びの小規模な争いの末に1734年のシドニーの戦いでカリフォーニエン側はメキシコ軍を破り、以後バハカリフォルニア半島の北側はカリフォーニエンの勢力として確定することとなる。このとき先述したホツ王国は3万の戦士を動員しカリフォーニエンを支援したことから、カリフォーニエン側は後に独立宣言を出すときにすでに斜陽のホツ王国を国内に残置することを認めている。スペイン・メキシコとの戦いに勝ち周辺の土地を保持することに成功した彼らは独立の機運を高めていき、1770年に自治政府を立て、独立宣言を声明した。

米加戦争

　1790年にザクセン大公国よりアルブレヒト公ヴィッテンブルクを招き、カリフォーニエン大公国が成立、初代宰相はハンス・ミュラーが務めた。ヴィッテンブルク=ミュラー体制の下カリフォーニエンは発展していくこととなるが18世紀後半になると領土を拡大してきたアメリカ合衆国と対立するようになり、アメリカはカリフォーニエンを連邦州の一つとなるよう求めたがヨーロッパから逃げてきて独立意識の高いカリフォーニエンはこれを拒否、こうして米加戦争が始まる。40万の軍を動員したアメリカ側に対し、カリフォーニエン側は18万人と劣勢で苦戦を続けた。しかしながら粘り強く抵抗し、1806年ダホ湖畔の戦いで講和を結ぶことになる。翌年12月14日のフィラデルフィア条約によりカリフォーニエン大公国が独立国であることが国際的に確認され、この12月14日が現在カリフォーニエンでは独立記念日となっている。北米ではその後アメリカ南北戦争の後にアメリカーナ帝国が建国されているが、カリフォーニエンはアメリカーナと不可侵条約を結ぶことで西の守りを固めることに成功した。
　19世紀を通して、ドイツを中心にヨーロッパから1500万人がカリフォーニエンに移住した。さらなる「フロンティア」を求めて北進するも、すでにシアトルなどの有力な都市を持つアメリカとの関係悪化を懸念して断念し、カリフォーニエンは太平洋へと進出していくこととなる。

太平洋への進出とハワイ編入

　1815年、海軍の艦隊がハワイに到着、諸島の探検と測地を行なっている。また翌16年には気球を利用して上空からハワイ本島の観測を行った。当時ハワイではカメハメハ大王がハワイ王国を統治していたが、当時のカリフォーニエンはこれを無視し、欧州諸国からの反対も特にないことをいいことに1820年にハワイ併合を宣言した。しばらくは軍事的な制圧などはなかったものの、1840年代よりカリフォーニエン人の入植が本格化し、現地住民とのトラブルが頻発すると、政府は邦人保護と治安維持の名目で軍を出動させ、1847年中にはハワイ全域が制圧された。カメハメハ大王は失脚させられることこそなかったものの、彼の死後は王朝は統治を続けることなく終了している。カリフォーニエンという西欧国家が、武力を用いて独自の文明圏を終了させてしまったことは歴史が明らかにしている事実であり、現在でもハワイ先住民族の中にはカリフォーニエンに対しよく思っていない者も一定数いる。
　また、1829年にはフィリピン島の探検も実施されたが、慣れないジャングル内での遭難や流行病などが発生し撤退している。1833年にはグアム島に、35年にテニアン、サイパン両島に上陸し領有を宣言している。カリフォーニエン海軍はここでも気球を用いた観測を複数回実施し、1851年には北マリアナ諸島全域が現在の領土として確定した。時代は飛んで1901年、ハワイがハワイ州としてカリフォーニエンに編入され、併せてマリアナ諸島は海外領土として組み込まれた。最終的には1974年、北マリアナ諸島全域が太平洋州として領土編入された。
　政治的には1896年に、第10代カリフォーニエン大公アイゼンバルク・アルブレヒトによる近代化が行われ、カリフォーニエンは大公主導で立憲君主制に移行した。初代内閣、ベッケンマン内閣は同年6月6日に成立し、これ以降カリフォーニエンの政治体制は変化していない。憲法では国民投票により君主政に復帰する余地はあるものの、国民感情は立憲主義に好意的である。

20世紀以降

　
　20世紀はカリフォーニエンにとって激動の時代であった。19世紀半ばから始まった産業革命は、その後期には重工業化をもたらし、アデレーンなどの大都市人口を急増させた一方で、農家の働き手が慢性的に不足する事態をもたらした。中立国として乗り切った第一次世界大戦後労働人口不足は無視できないものとなり、1919年に大規模移民を募集することとなる。その条件は、
  • ドイツ語を第一言語として使う者
  • 工業、農業従事者
であり、不況と荒廃が広がるヨーロッパ中欧部から450万人規模が移民としてやってくる。さらに1927年からは第二次募集を行い、増大する食糧需要に応えるためドイツ語を話すことができる農業従事者、および農業に携われる者約900万人がカリフォーニエンに移民してきた。以降も中央ヨーロッパから移民のラッシュは続きます、国家プロジェクトとして行われたら最後の大規模移民募集は1960年に開始され、「ドイツ語を使用することができる」という唯一の条件に196万人が移民として認められ、カリフォーニエンに来ることとなった。このように20世紀は主に国が募集する移民事業により人口を大きく増やしたカリフォーニエンであるが、基本的に移民者をドイツ語話者に限定したために現代でも国内の第一言語はドイツ語である。しかしながら近年では他の地域からの移民も微増しており、地理的要因から元々人口の多かったスペイン語や英語話者を除くと、少数ながらポーランド語、ロシア語、中国語、朝鮮語、日本語、ベトナム語、タガログ語を話す国民もいる。また、忘れてはならない点だがこれらの他にネイティブ・カリフォーニアナーが25〜40万人ほど居住している。カリフォーニエンは今でも移民大国である。

エーベルン市内のアジア系スーパー。移民大国カリフォーニエンの多文化社会を象徴する光景である。
　

政治

行政区分


　カリフォーニエンは連邦制国家ではないが、カリフォーニエンの行政区分上最も大きい区分は"Staat"であり、これは日本語に訳すと州になる。もっとも、それぞれの州の権限は地域的な警察組織や教育、地方税といった一定の範囲内に制限されており、連邦国家の州に相当するほど大きな権限は持っていない。

�� オバーシュレジエン州
州都:サクラメント
�� アデレーン州
州都:なし(事実上アデレーン市ノイケルン区)
�� ツェントルム州
州都:ハーン
�� グロースゼー州
州都: ヴェルディ
�� エーベルン州
州都:なし(事実上エーベルン特別市ミッテ区)
　
　その他にハワイ全土をハワイ州(州都ホノルル)、北マリアナ諸島全域を太平洋州(州都グアムシティ)と定めている。アデレーンとエーベルンは都市全域が一つの州になっているため、州政府庁舎がある場所が事実上の州都となっている。

中央政府

　選挙によって選ばれ、大公により任命される首相が内閣を組閣する。現在の首相は第40代レンツ・ダルマイヤー氏。
　閣僚として内閣を構成する役職は以下の通り。
  • 首相
  • 副首相
  • 外務長官
  • 内務長官
  • 公室補佐長官
  • 国防長官
  • 財務長官
  • 経済産業・エネルギー長官
  • 司法長官
  • 労働長官
  • 教育・科学技術長官
  • 宗教長官
  • 国土運輸長官
  • 食糧長官
  • 国民保健長官
  • 少子化対策特命長官
  • 環境長官
  • 国家PR・観光長官
  • 内閣調整官
  • 国家安全保障長官
  • 主席顧問官
　他国ではあまり馴染みのない、宗教と主席顧問官についてのみ解説する。その他の詳細は該当ページのリンク先で確認されたい。
　歴史的な経緯からキリスト教保守勢力の強いカリフォーニエンでは、カリフォーニエン国教会が国教として定められており、宗派を問わず国内のキリスト教諸団体に一定の影響力を持っている。一方で憲法により信教の自由が保障されているカリフォーニエンでは、キリスト教以外にもイスラム教、ユダヤ教、仏教、神道、自然崇拝、新興宗教などあらゆる宗教が存在する。宗教団体は宗教法人として登録することが勧められており(強制ではない)、これらの法人を管理したり監査するのが宗教省の現在の主な仕事。また宗教施設内は警察や司法当局の立ち入りが制限されているため、宗教団体の中で起きた犯罪や訴訟の解決を司法当局と協力して目指す役割もある。現在では行われていないが、かつては公会議の運営や重大教義の検討も仕事の一つであった。
　もう一つが主席顧問官である。かつてのカリフォーニエンは君主制であり、大公の政治を補佐し、国内事情を進言したり、または大公の政治の実務面をサポートする重要な役割を担っていたのが主席顧問官であった。立憲君主制に移行した現在では、大公に政治的な権限はほとんど残されていないが、公室補佐省が公室の生活のサポートや財産の管理運用を行うのに対し、主席顧問官は大公と連絡を密にとり、内閣に大公の要望を伝えたり、または内閣と大公の間の橋渡し役を担っている。これは大公が内閣に直接何らかの提言を行うことで、政治に大公の影響力が強くなりすぎないようにすることが憲法で明記されているためである。

選挙制度

　成人として定められている満18歳以上の男女に選挙権があるが、別途法律が定める場合に限り、重要法案の国民投票の際には満16歳以上より投票を認める場合がある。選挙制度は基本的に小選挙区比例代表併用制であり、このほかに5%要綱として定める、5%未満の得票率の政党は議会で議席を失う仕組みがある。また、行政の長たる首相は国民から直接選挙で選ばれるわけではなく、通例与党の代表が首相に任命される場合がほとんど。
　2016年の統一選挙で、世界で最も早くインターネットを用いた投票が開始された。

憲法

　現行憲法は1989年改正のカリフォーニエン大公国基本法。後述する大公の非常大権、死刑制度の廃止などが明記されている。政府は同性婚の制定も目指していたがキリスト諸教会や国民の根強い反対により、「性的少数派の国民への差別を禁ずる」と言及するにとどまった。

非常大権

　立憲君主制に移行した後も、大公には憲法で定められた非常大権が維持されている。これは次に述べる有事において、かつ議会が機能していないあるいはしない恐れがあると明らかに認められる場合にのみ最大で1年間、議会を停止し大公による親政を可能にするものである。
・戦時
・大規模自然災害
・内乱等による無政府状態
・何らかの理由による重要閣僚の失踪または死去
・その他国家の非常事態
　延長も可能であるが、1年毎に見直される必要がある。この非常大権であるが、1896年に立憲君主制に移行して以来一度も発動されたことはない。

司法

　カリフォーニエン国内には憲法裁判所、普通裁判所、上級裁判所、特級裁判所、簡易裁判所の5つの裁判所があり、これらが三権分立の一つである、国の司法を担っている。詳細は該当ページを参照されることとして、当項目ではカリフォーニエンの司法上とりわけ特筆すべき事例について解説したい。

宗教と政治難民

　そもそもカリフォーニエンは宗教戦争により、弾圧され迫害されていたローマ・カトリック信者たちが祖国を脱出し新大陸に建国された経緯がある国である。こういった背景から、信教の自由は国と政府と国民が一致して絶対に守るべき、民主主義と並ぶ大切な権利とされている。基本的人権の中に信教の自由はしっかりと定義されており、これによりカリフォーニエンでは公共の福祉に反したり犯罪行為に加担したりしない限り、いかなる宗教でも国によって弾圧されない権利があり、国民はどのような宗教を信奉してもよいと保障されている。また、新興宗教について「カルト宗教」という言葉が使われることも少なくないが、カリフォーニエンではこの言葉は不適切とされ使わないように言われている。自分の権利を尊重することと同じくらい、他者の権利を尊重することは大切だからである。事実、国内ではキリスト教組織とイスラム教組織が合同でチャリティー・イベントを開催したりすることもある。カリフォーニエンではどんな宗教も尊重されるのである。
　さて政治難民についても見ていこう。カリフォーニエン大公国基本法(憲法)では、政治難民は庇護権を持つとされている。このためカリフォーニエンは毎年たくさんの難民を受け入れており、その受け入れ規模は世界有数のものである。一方で経済的に移住する者たち同様、ドイツ語の習得が義務付けられておりしばしば同化政策だと批判されることもある。政府は一貫して、移民や難民へのドイツ語教育は外から来た人々がいち早くカリフォーニエン社会に溶け込み、文化や就労面で溝をなくすためのもの、という立場をとっている。

拷問、死刑制度

　拷問と死刑は憲法で絶対的に禁じられている。人間の判断に絶対はあり得ないので、冤罪が起こってしまった際に取り返しがつかないから、というのがその理由として掲げられている。このため勾留後の取り調べは全て映像データ化されており、弁護士や裁判官など資格ある有識者が定期的に監視することのできるシステムが整えられているほか、カリフォーニエンでは自白は裁判の際の証拠として認められていないので、拷問をそもそも起こしえない制度も整備されている。一方で死刑相当の無期懲役囚には治験などの医学実験や臓器提供が行われているため、実際に死刑を執行しているのと変わりない、と非難されてもいる。

LGBTへの対応

　1989年改正の現行憲法では世論の強い反対から、同性婚許可は見送られた。一方で事実婚が社会制度上認められているカリフォーニエンでは、同性カップルや同性カップルがとった養子にも事実婚は適応されるため、国内のLGBTカップルはこれを利用している者がほとんど。そのほか結婚式場や不動産もLGBT差別をしてはならない法律も制定された。近年はLGBTのほかにA(アセクシャル、無性愛者)、I(involuntary celibateつまりインセルのこと)を追加してLGBTAIと表現されることも増えてきており、多様性に富んだ国民一人一人がより幸せに暮らせるために、政治や行政でどのようなサポートができるかが課題である。

成年被後見人制度の撤廃

　知的障害者が法務行為、とくになんらかの契約を交わす際にその補佐および監督をする役割として法的に成年被後見人制度がながらく維持されてきた。一方でこれらを悪用し、障害者の財産を意図的に制限したり、中には横領する者もいたために近年障害者の基本的人権保護の観点からこの制度は撤廃された。撤廃後は役所などの公的機関に、障害者のくらしをサポートする部署が設置され、そこが法律面でのアドバイスやサポートを行なっている。

経済

産業

　主要な産業は製造業と医療であり、特に航空機、機械類、家電、自動車、造船、宇宙開発関連、製薬、医療機器、高度医療、医学開発・研究、医学教育を得意分野とする。さらに近年高まる環境への関心に対応するため、EV車両や自然再生エネルギー発電なども生産することができる。一方でこうした製造業には莫大な電力と水を必要とすることから、主要製造業企業や工場は海沿いに集中している。それは西海岸ベルトとも呼ばれている。さらに、鉄やボーキサイトといった資源も他国からの輸入に依存しているため、カリフォーニエンは典型的な加工貿易立国とも言えよう。
　2020年の貿易収支は3150億マルクの黒字であり、過去最大であった。このことからも分かるようにカリフォーニエンの経済は強い輸出に支えられているが、同時に世界の為替相場や経済情勢に影響を受けやすいとも言える。

為替操作国認定

　輸出大国カリフォーニエンは他国と貿易摩擦に発展することが少なくなく、1987年から2005年まで、アメリカーナ帝国より為替操作国認定を受けていた。この間地球連邦からも2度、操作国であると非難されている。カリフォーニエン中央銀行は一貫して非難に対し反対の姿勢を見せていた。
　

教育

　義務教育は6・3の9年制。独自の語学教育プログラムにより、動機付けの観点から高い言語教育が施されている。生徒たちは義務教育終了時までに、CEFRレベルで第一外国語をB2、第二外国語をB1まで目指すこととなっている。一方で義務教育後も高等学校ほか各種学校、さらには大学まで税金によって授業料が免除されている。これは教育が次世代を担う若者への投資という考え方に基づくものである。学費の安さ(施設維持費として年間数十〜百マルク程度負担がある)は海外からの留学生受け入れ増加にもつながっている。優秀な留学生がそのままカリフォーニエンで就労すれば経済へのいい刺激になるし、また帰国する場合でも大勢の若者がカリフォーニエンでドイツ語とカリフォーニエンの文化を学ぶことで、間接的かつ段階的に国際影響力を高めていくことができる。事実、政府は21世紀の国家戦略としてソフト・パワーによる国際影響力増加を掲げているが、これもその一環とも言えよう。さらにこの目的のためにドイツ語の教育機関、『ゲーテドイツ語センター』が外務省や教育・科学技術省後援のもと国ぐるみで運営されており、世界中でドイツ語普及活動を行なっている。

医療

　カリフォーニエンは高い医学水準を持っている。事実19世紀から20世紀半ばまで、カリフォーニエンは世界の医学をリードする立場にあった。化学や医学上の発見をいくつもしてきており、自然科学の中でもドイツ語は論文の被引用回数が非常に多かった。その影響で現在でも医学先進国である。
　カリフォーニエンでは国民皆保険制度が整っており、18歳以下(学生は最大24歳まで)医療費は無料である。また公保険に加入することで医療費は3〜4割に低減される。80歳以上からは4割に増額されることとなっている。カリフォーニエンの医療は家庭ごとのかかりつけ医が基本であり、病院に行く際は原則的にかかりつけ医からの紹介状が必要となる。また、医療品への保険適応の幅が広く、興味深いことに少子化対策の観点から生理用ナプキンやコンドームまで保険が適応される。

医療ビザ

　自国の影響力を高め、医学水準を誇示する目的があるのか、カリフォーニエンには医療ビザというものがある。これは出身国では受けることができない医療行為を受けることを目的として訪問するビザである。発行には通常のビザ申請に加えて、出身国の医師少なくとも2名以上の依頼書が必要である。毎年数千名がこのビザを用いてカリフォーニエンを訪問し、小児ガンや筋ジストロフィーなどの高度医療が必要な治療を受けている。外国人には通常カリフォーニエンの医療保険は適応されないが、経済的事情などを考慮して適応される場合もなくはない。

科学技術

　科学技術はカリフォーニエン経済と国力の原動力であり、常に多額の研究開発費を拠出して成長を維持している。この点に関して、教育・科学技術省の役割は大きい。カリフォーニエンでは全国の高等学校の中で、特に自然科学への教育に熱心な高校に「先進科学教育推進校」という認定をつけ、その教育を支援している。そういった学校では理系分野の授業時間を延長したり、地元の企業や大学と連携した授業を受けたり、高レベルな実験機材などが置かれている。このような取り組みで先進国で問題になっている子供の理科離れを防ぎ、次世代の科学分野の推進力を高める努力が行われている。
　宇宙開発のような莫大な費用がかかるものの、現代の科学技術分野においてホットなものは国家が重点的に支援している。カリフォーニエン宇宙探査機構(KW, Kalifornien Weltraumforschungsorganisation)がこの分野において国内の研究開発を指揮しており、職員には航空宇宙軍からの出向も見られる。初期の宇宙開発がロケットや偵察衛星など軍事面に力が入れられていたために軍主導で行われていた経緯もあり、現在でも官民共同ではありながら国家プロジェクトの性質も帯びている。

国際関係

　全方位外交を軸に他国との平和的な共存関係を目標としている。軍事は外交の一手段に過ぎない、とはよく言われるが、逆を言うなれば強固な外交関係によって軍事による抑止力の一部とすることにもなり得る。この点でカリフォーニエン外務省には特に、他国との慎重な外交関係を維持しつつも最大限国益を確保するという責任重大な職務が期待されてる。
　テソモニアとの外交関係はカリフォーニエンの国際関係上極めて重要なものである。そもそもカリフォーニエンは18世紀から19世紀にかけて、テソモニア民主共和国の前身、エルブレーム王国の後押しによって悲願の独立を果たしたという歴史がある。両国関係はそれ以来良好であり、とりわけ20世紀以降におけるテソモニアとカリフォーニエンの軍事・経済的な緊密関係はしばしばテソ加同盟とも称される。経済的な結びつきも強く、複数都市間が航空便で毎日結ばれており、技術面や教育面での協力関係も深い。
　ロヘニア共和国とは安全保障条約を結んでおり、現在ロヘニア国内の3ヵ国所に航空宇宙軍と海軍が常駐している。カリフォーニエン軍はロヘニア共和国軍と共に、ロヘニアの国防に責任を持つとされロヘニアの国際関係や政治の動向は常にカリフォーニエンにとって主要な関心事ともなっている。9300km以上離れた場所に軍を常時展開させることには多大なるコストがかかるが、一方でヨーロッパ地域に一定のプレゼンスを持ち、また情報収集上極めて重要な拠点を確保するというメリットもあるため、カリフォーニエンは今後も欧州の重要な友好国としてロヘニア共和国との関係を維持また発展させていくだろう。
　近年、オクター、中華、日本、テソモニア、ロヘニア、英国、アメリカーナにカリフォーニエンを加えた主要先進国G8の枠組み構築が模索されている。新たな国際体制ができることになるかもしれない。

軍事

　完全志願兵制による46万人の常備軍、カリフォーニエン国防軍を持つ。通称カリフォーニエン軍または加軍。

陸軍

　総兵力は26万人。南北に細長い本土はアメリカーナ帝国と不可侵条約を結ぶことで東側の脅威を軽減させている。一方で横方向は距離が少なく、また険しい山脈があることから砲火力を重視したドクトリンの下、世界的にも珍しく155mm砲や203mm砲といった大口径の野戦砲を配備している。陸軍総司令部は参謀本部のある首都に置かれている。

海軍

　総兵力は11万人。太平洋に分散して領土があり、さらには安全保障条約によって国防に責任を持つロヘニアをヨーロッパに持つことから、有力な海軍を保有する必要がある。ハワイには常設の空母機動部隊があり、カリフォーニエン海軍唯一の空母打撃群がある。一方でカリフォーニエン海軍の主要なドクトリンは攻撃型潜水艦による抑止力とシーレーン破壊であり、艦艇に占める潜水艦の数は30隻強と潜水艦戦力に重きを置かれているのも特徴である。
　海軍に限った話ではないが、兵器がより高性能化し重武装が進むにつれてコスト増が無視できないほど大きくなってきている。このため少人数化を図り、艦艇機能の自動化が進められている。またイージス艦に代表されるような特に高コストな艦はごく少数配備に止める一方、多少古くても確かな実績と信頼がある旧式機を多数配備し量を確保する、いわば「枯れた技術」を重視した運用もされている。海に接した海洋国では、敵の航空機などの攻撃に空軍と共同で海軍が防衛にあたることが一般的だからだ。
　総司令部は南部の海軍港であるキースにあるが、実質的に戦力が集中しており平時の司令部機能が置かれているのはハワイである。

航空宇宙軍

　総兵力は5万5000人。主力戦闘機は国産化に成功している。カリフォーニエンでは全ての空港に空軍の要員が詰めており、これにより民間空港であったとしても緊急時に民間機を避難・誘導させ、空軍機を離発着させることができるようになっている。
　名前からわかるように宇宙空間での軍事行動も管轄している。現在カリフォーニエン軍では16基の軍事衛星を保有しており、このほかにも民間の衛星を軍事理由に転用することも可能である。さらに航空宇宙軍はKWと密接な関係にあり、同国の宇宙開発において重要なポジションを占めている。
　司令部は参謀本部のある首都に置かれている。このほかにロヘニア共和国内に恒久基地を置いており、小規模な戦闘機部隊とヘリコプターが駐機している。

近衛師団

　公室専属の部隊として、一部の君主制国家に見られる様にロイヤルガードとしても知られる近衛師団が1万5000人置かれている。近衛師団はカリフォーニエン軍の中でも公的には最古の部隊であり、ザクセン大公国より公室を迎えた際に発足しているため、200年近い歴史を誇る。以前は大公直属の軍として独立指揮系統、つまり国軍には直接属さない部隊となっていたが、現在では他の軍種と同様参謀本部に属している。エリート部隊としても知られ、志願兵制のカリフォーニエン国防軍の中でも特に成績優秀な者しか入隊することはできない。事実上首都防衛部隊としても機能している。
　本部は首都のエーベルン新宮内に置かれており、普段は参謀本部の中に出張要員が詰めている。

カリフォーニエン参謀本部

　カリフォーニエン国防軍全体を管轄し、作戦指揮と研究および立案、また総務や法務業務も行う軍の主要機能。参謀本部直属組織として情報部隊である中央情報総局(CIG)、サイバー部隊であるインターネット隊を置いている。本部は首都エーベルンにあるがハワイにも出向機関が置かれている。
　

交通

アウトバーン

　カリフォーニエンは自動車大国であり、国民の主な移動手段も自動車である。事実国民一人当たり1.46台の保有率となっており、この背景には鉄道の整備より先に道路と街が建設されてしまったことと、カリフォーニエンの広大な土地による良好な道路事情が関係している。
　カリフォーニエンでは自動車専用の高速道路をアウトバーンと呼んでいる。アウトバーンは建設と維持が税金で賄われており、通行はほとんどの区間で無料である。一方で乗り降りが自由なためにサービスエリアの様な場所が少なく、代わりにインター付近にガソリンスタンドやレストラン、モーテルやホテルなどが集中する傾向にある。アウトバーンは全区間が片側4車線以上であり、とりわけ国の物流の大動脈であるアデレーン・エーベルン間のアウトバーンA1号線は片側6車線、インター付近などで一部8〜10車線もある巨大な高速道路である。制限速度無制限として知られているが、実際には免許取得後2年以内のドライバーや高齢者、大都市近郊部区間、さらには天候などによって制限が課せられている場合も少なくない。警察は定期的に通行量調査を実施しているが、最新のデータでは2019年現在、A1号線の下り方向は実平均速度は145km/時であった。
　なおカリフォーニエンは左側通行国であり、追越車線は右側から。ヨーロッパやアメリカ諸国とは異なり、それに伴ってウインカーやワイパーのバーの位置も違っているので運転する際には注意されたい。

リニア鉄道

　日本のJR東海から輸入する計画がある。計画では北部の大都市アデレーンと首都エーベルン間約650kmを専用規格のリニア鉄道で結び、約1時間でつなげるというもので総建設費には300億マルクとも400億マルクとも言われている。莫大な建設コストに見合う計上収益が出るのか、さらに地震大国カリフォーニエンにおいて安全性はどこまで高められるかといった議論は尽きないが、政府や自治体また沿線住民は概ね前向きな検討である。

国民

　国民の大部分がドイツ系。国勢調査の際に先祖の出身を問われるが実に75%超が現在のドイツや神聖ローマ帝国とそれに回答している。移民大国であるために少しずつではあるが、アジア系およびヒスパニックも増えてきている。
　ここで、カリフォーニエンの移民政策について改めて記述したい。カリフォーニエンでは移民による人口増の恩恵を古くから受けているが、その大部分がドイツ語話者である。これには長年、事実上の受け入れ制限としてドイツ語能力を移住者に課していたためでもある。現在では撤廃されているが(そもそも大規模移民募集が過去60年間行われていない)、移住者や難民にまでドイツ語の取得が義務付けられている。これは同化政策であるという批判を呼ぶことも少なくないが、一方で国内の文化的分断を最小限に留めることにも繋がっている。例えば毎年数十万人単位でAという国から移民が来ているとしよう。A国出身の人々は日常的にはA語を話し、なかなかドイツ語を習得しない。移民コミュニティ内ではドイツ語を話せなくても生きていけるからだ。やがて移民社会の中で子供が生まれるが彼ら移民2世も、やはりA語を話す。3世、4世に至ってもなお、である。これはあくまで極端な例示ではあるが、一方でグローバル社会の現代では世界の至る所でこうした光景が見られるのもまた事実である。
　

文化

　カリフォーニエンの文化を紹介する。現代では欧州のドイツ語圏文化とはかなり様子が異なってきており、むしろ中米西海岸や北米文化に近い。温暖な気候は人々を陽気にさせ、食文化や被服文化まで変えてしまった。

食文化

　カリフォーニエンの食文化は牛肉を抜きにしては語れない。一人当たりの消費量は年間で48kgと突出しているが、元来中央ヨーロッパでは豚肉が食べられていた。ところがドイツから最初に海を渡って新大陸に到達した17世紀半ばは、アメリカ大陸にはブタはおらず、代わりに中南米からウシがもたらされた。そのためソーセージやベーコンなどの豚肉調理法は現代ではかなり少なくなってしまったが、代わりにステーキやハンバーガーといった焼く料理法が発展した。土地を開拓する移住者たちには茹でたり燻製にするほど複雑な調理ができるキッチンがなかったのだ。一方で焼くことは野外でもできる簡単な調理法である。こうして牛肉を焼いて食べる文化が広がっていった。
　特に人気なのはステーキで、カリフォーニエンでは塩とコショウでシンプルに食べるのが一般的。濃いソースで肉の味をころしてしまうのはあまり好まれない。リブロース、またサーロインがよく食べられる。従来の中南米のウシはほとんど野生牛で肉質も硬く、さらには筋も多かったが、200年以上をかけてかなり改良された。300g、あるいは400g、500gと豪勢に頂くのがカリフォーニエン・スタイルのステーキである。付け合わせはジャガイモやトウモロコシなど。さらにカリフォーニエンでは焼きトマトも好んで食べられる。

ステーキは家庭料理としても普段から食される
　ハンバーガーも代表的な料理だ。カリフォーニエンのハンバーガーはパティもバンズもボリュームがあり、それ単体でひとつの食事として完結してしまうほど。なお、カリフォーニエンで「バーガー」を注文すると通常はチーズバーガーが出される。カリフォーニエンでは肉とチーズの組み合わせが非常に好まれているため、ハンバーガーにはチーズが挟まっているのが一般的。普通のハンバーガーが食べたい場合は、チーズ抜きを注文する必要がある。

カリフォーニエンのファーストフード、ハンバーガー

スポーツ

　国民的スポーツとしてサッカーがあり、ほかに卓球と水泳、テニスが盛ん。国土のかなりの部分を亜熱帯が占めるが、高山帯もあるために場所にも恵まれていてウインタースポーツもよく楽しまれている。特にサッカーはレベルの高い有力なチームがいくつもあり、カリフォーニエン1部リーグ、『アメリカーナ・リーガ』の試合は世界的に注目されている。

言語

　公用語はカリフォーニエン・ドイツ語。欧州のドイツ語話者はカリフォーニエン・ドイツ語をほとんど理解することができるし、両者の間でも通訳なしでコミュニケーションを図ることも可能である。しかしながら両言語には200年以上の年月とともに変化が生まれており、カリフォーニエンのドイツ語は原語と比べて文法規則が比較的簡略化されていることが指摘されている。詳しくは該当ページをよく参照されたい。
  • 私はドイツ語を話すことができる。 日本語
  • I can speak german. 現代英語
  • Ich kann Deutsch sprechen. 標準ドイツ語
  • Ich kann sprechen deutsch. カリフォーニエン・ドイツ語
　とはいえ、非常に近い言語でもある。事実言語学上両言語は同一言語とみなされている。
　

観光

　主に保養地として豊富な観光資源を有するカリフォーニエンは、観光立国を目指している。狙いは海外のインバウンド需要による地方創生と経済活性化である。

ハワイ


　年間2500万人が訪れるハワイでは、専門のハワイ観光庁が国家PR・観光省の下部組織として設置されており、ハワイの観光を政府としても盛り上げている。一方で観光客の増加は宿泊施設の慢性的な不足、治安の悪化、ゴミ問題、文化の違いからくるトラブルさらには開発による環境悪化など様々な問題を起こしており、こうしたことが地元住民の負担ともなっている。
　ハワイは年間を通じて温暖で、ビーチでは綺麗な海を、市内ではショッピングやハワイの生態を魅力的に取り上げた動植物園などを、さらには専用の観光ツアーを楽しむことができる。ハワイ州内に限り、認定された国内で自動車免許を取得後2年が経過していれば公道をレンタカーなどで運転することが可能。さらには4000m級の山があるハワイでは降雪も充分にあるので、一年の間でもかなり長い期間ウィンター・スポーツを楽しむこともできる。実際に比較的小規模ではあるが、スキー場もある。

　これを読んで下さっているシン・紳士世界線の各国の皆様、どうぞハワイへお越しください。皆様と南国のリゾートでお会いできることを楽しみにお待ちしております。
　
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