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基本データ

名称FKK PRODUKTION
種類株式会社
上場エーベルン証券取引所
設立1946年3月31日
略称FKK
本社所在地ホノルル市、ハワイ州
事業内容性風俗産業、総合遊戯施設の運営
代表者マクレヴ・ジョンソン
資本金8億6000万マルク
売上高16億7664万マルク(2020年)
総資産29億マルク
従業員数1万991人
決算期6月末
主要株主カリフォーニエン政府(98%)、ハワイ州(2%)

概要

 カリフォーニエンでは売春が国営に限り、合法化されている。そんななか、国営企業として国内で唯一性風俗産業を手がける会社がこのFKKである。ここでは会社組織としてのFKKと共に、カリフォーニエンの性風俗産業や文化についても解説したい。
 そもそもなぜ売春を合法化するのだろうか。一般的に言って人間の四大欲求は食欲、性欲、睡眠欲、排泄欲とされておりこれらは人間が生きていく上で、いかに高度に文明化された社会であろうと切っても切れないものである。事実これらに関する仕事はどんな文化圏にも存在し、人類が存続する限り決してなくならないだろう。例えば食欲なら飲食店、睡眠欲なら寝具や家具また住宅、排泄欲も近年では水洗トイレが備わった住宅として、それぞれの分野にはそれぞれのサービスを提供する産業がある。そして性欲にも、風俗事業といったかたちで、それは存在している。前述したように生理的な欲求に結びついた仕事のため、仮に政府や世論によって厳しく取り締まったとしても非合法・裏社会化して存続してしまうし、それは歴史が明らかにしているところでもある。事実、売春は世界で最も古い職業でもある。

18世紀欧州の売春婦を描いた絵画
 逆に、売春を合法化して透明化された産業、事業にすることはさまざまなメリットを生む。
 まず第一に治安の向上が挙げられる。売春が合法化されていない社会であったとしても、人間の欲求を満たすことで社会秩序の維持と治安の向上に寄与することは全く否定されていない。極端な話、そういった職業や産業を一才禁止して厳しく取り締まったなら、女性や社会的弱者への性犯罪被害は増加するだろう。一夫一妻制が定着し、人々の道徳的価値観が変化してきた現代では、とかく汚いものとして見られがちなこの産業ではあるが、社会秩序を守り治安維持に貢献するといった大切な役割を果たしているのである。
 第二に、公衆衛生の向上も見込める。非合法化された売春では、従業員が健康を悪化しても摘発を恐れて、適切な治療を受けられないケースが多い。一方で合法化されきちんと管理された事業所では、性感染症の蔓延を最小限にとどめ、そこではたらく人々の健康を守る事にもなる。望まない妊娠やそれによって副次的に生じる中絶また育児放棄といったことも防ぐことにつながる。
 第三に、売春婦の地位向上である。現代でこそそのようなことも少なくなってきたが、以前は仕事にも食べるのにも困っている女性が、最後にすることが自分の身体を売ることだった。それゆえに劣悪な労働環境で長時間酷使され、その割に低賃金で泣き寝入りさせられることも珍しくなかった。非合法な仕事ゆえに公的相談窓口を頼れないのである。これも法に則って適切に管理された職場であれば、そのような事もどんどん少なくなってゆく。従業員の女性たちにも適正賃金が払われ、QOLは大幅に向上することだろう。こういったメリットもあるのだ。
 売春を合法化することはメリットしかない、と言い切りはしないが、上記に挙げたようにメリットが大きいのもまた事実である。さらにこれを国営化してしまうとどうだろうか。それは国の収益につながる。近年一部の国では国主導でIR施設(統合型リゾート)の誘致を目指しているが、それも同様の理由による。こういった観点から、従来の売春宿があつまる地域が特に多かったハワイにて、カリフォーニエンの国営風俗FKKが始まっていった。
 現在のカリフォーニエンで、FKK以外に性風俗産業は存在しないとされている。そのためただ単に「FKK」と言うと、産業としての存在より後述する遊戯施設を一般的には指すことになる。近年は世界中から観光客も集まってきており、ただ単に性サービスを行うだけでなくカジノや映画館、カラオケなどと両立させている場所もある。明らかにインバウンド需要を狙ったものだが、実際業績は上がっている。さらに女性従業員(カリフォーニエンでは「売春婦」という呼称は相応しくないとされる)も国外からも集まるといった状況が発生している。

沿革

1938年ホノルル市内で売春宿街の女性従業員たちによるデモが激化
1943年ハワイ州議会が労働法案に性風俗産業従事者も適応と表明
1946年ハワイ州内で売春が合法化、同年FKK PRODUKTION設立
1949年FKK社屋がホノルル市街地に移転
1953年州外一号店としてグアムシティに進出
1960年エーベルン市内に初進出
1966年最高裁判所で、全土で売春が合法化される
1988年エーベルン証券取引所に初上場
1989年改正刑法にて売春の合法性が明記
2002年初の年間500万人来場突破
2010年全店舗にてタッチ決済システムが完成

カリフォーニエンのFKK

 ここではカリフォーニエンで最大規模を誇るデュースブルクの店舗を例に見ていこう。

料金システム

 まず、FKKの料金は全国一律で、24時間70マルク(日本円で約5600円)。この料金を受付で支払うと、リストバンドを渡される。このバンドが客のIDの代わりともなり、リストバンドについているQRコードタッチ決済を利用して施設内で物品を購入したり、女性従業員にサービス料金を支払うことができる。施設の内部へは衣類以外の持ち込みが禁じられている。リストバンドが財布がわりとなるのだ。
 施設の中は各店舗によって異なるが、概ね、プール、食事スペース、休憩エリア、セーフティーゾーン、遊戯施設がある。これらの基本料金は入場料に含まれているので、温水プールや立食ビュッフェ、映画鑑賞などは追加料金なしで楽しむことができる。

内部

 大規模な店舗では温泉付きのプールやサウナ、ウォータースライダーまで備わっているところもある。リラクゼーションとしてエステや東洋マッサージなどもあるが、それらには別料金が必要な場合もある。岩盤浴、サウナが備えられているところもあるが、FKK内のプールやそう言った場所では衣服を身につけていても、いなくても良い。女性従業員たちも休憩がてら利用することもあるが、彼女たちは衣服を身につけていないので、大抵の利用者はここで「夜のお相手」を探すこととなる。
 食事スペースは後述するセーフティーゾーンの一部扱いとされており、衣服の着用が義務付けられている。出されているビュッフェ式の食事や軽食の施設内デリバリー、アルコールを含むサービスドリンクは基本的に利用料金に含められている。別途有料メニューはメニューに表示されているため、よく見てから注文されたい。ビール大国らしく無料のビールの種類は豊富。さらに基本料金内のメニューにはサンドウィッチやアジアンコブサラダ、タコス、ハンバーガー、ポークステーキ、テリヤキ(照り焼きチキンのこと)などもあり豪華なものとなっている。考え方によっては、70マルクを支払って一日プールと温泉に入りながらゆっくり肉とビールを楽しむだけでも元が取れると思う。
 休憩エリアでは適度な音量でクラシックが流れており、暗い部屋の中で眠ることができる。ハンモックに寝転びながら、ピアノジャズの生演奏を聴くことができる場所もある。女性従業員の中には音楽を学んでいる者もおり、ピアノを聴かせてくれたり歌ってくれたりする場合もある。それがサービス料金が必要か否かは各自で交渉していていただきたい。
 セーフティーゾーンは、唯一性的行為が禁じられている場所である。ここではその他のエリアと厳格に分けられており、衣服の着用が義務付けられている。なおカリフォーニエンのFKKは警察官が駐在している場合もあるが、大抵このエリアにいる。インターネットを利用したり書籍が備えられているのもこのエリア。前述したように食事もとれる。なかには、図書館がある場所もある。
 遊戯施設における「遊戯」とは、「遊戯(意味深)」なので説明は不要であろう。ただし、一点だけ注意してほしい点がある。それは女性従業員からの性的サービスを受ける際には別途サービス料が必要だということ。料金は従業員により、また日や時間帯によっても変わるため各自で交渉していただきたい。支払いはリストバンドのQRコードで行う。なおほとんどの女性従業員は英語を話せるが、まれにドイツ語しか話せない、または出身国の言語しか話せない場合もあるので注意していただきたい。もっとも、身振りや手振りである程度意思の疎通は図れるものである。

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